身体活動研究センター
世界中で生活習慣を基盤とした非感染性疾患(Non-communicable diseases; NCD)が蔓延している。また、本邦は世界で最も高齢化率の高い国である。そのため、疾病発生を予防するだけでなく、健康寿命延伸、ウェルビーイングの観点から対策を立てる必要がある。身体活動は運動と生活活動から構成されており、高い身体活動量や中等強度以上の運動が疾病発生の予防や健康寿命延伸に寄与していること、長時間の座位行動が疾病発生に関係していることが分かってきている。しかし、国民健康・栄養調査において、身体活動の指標である歩数や運動習慣は減少傾向にあり、かつその減少はライフコースによって異なることが指摘されている。
身体活動研究センターでは、以下の目的に研究・支援活動を行う。
① 身体活動・座位行動と疾病発生または予防・健康寿命延伸・ウェルビーイングとの関係、関連要因について科学的根拠を明らかにすること。
② 国民の身体活動向上と座位行動減少に資する研究を行うとともに、最良のエビデンスからの政策への貢献、自治体・関係機関の支援を行う。
③ 医療機関と連携して、身体活動・座位行動と健康寿命延伸・疾病の重症化予防との関係を明らかにする。
当センターでは、神戸大学大学院保健学科と連携大学院協定を結んでおり、条件を満たせば修士(保健学)、博士(保健学)の学位取得が可能です。
・身体活動ガイドライン研究室
大学や研究機関のハブとなり、身体活動・座位行動と健康についてのエビデンスを創出するとともに、エビデンスの整理を通じて身体活動・座位行動に関するガイドライン作成に貢献し、社会実装にむけた研究と支援を行う。
・運動疫学研究室
フィールド調査、公的データ分析を通じて、身体活動・座位行動と疾病予防(メタボリックシンドローム、フレイル、悪性腫瘍、認知症等)、健康寿命延伸、ウェルビーイングとの関係、関連要因について疫学的見地から調査研究を行う。
・ウェルビーイング研究室
人口減少・社会構造の変化の中で、ウェルビーイングの向上は重要課題である。一方で、健康特に体力や運動とウェルビーイングの関係については十分に理解されていない。フィールド調査や実験研究を通じて、ライフコースに着眼点をあて、健康特に体力や運動とウェルビーイングの関係を明らかにすることで、活力のある社会を提案する。
【関連リンク】
・摂津スタディー https://www.nibiohn.go.jp/eiken/settsu_study/
・神戸大学大学院保健学研究科 http://www.ams.kobe-u.ac.jp/research/publichealth/